最近、徹夜すると疲れが残るんだよね。
何でだろう?
疲れがとれない理由はいろいろあるけど、
「副腎疲労」の可能性もあるかもね?
フクジンヒロウ?
うん、
色んな理由で、脳の指令系統がうまく働かなくなってしまうと、
・体が疲れやすい
・気力がなくなる
・気分の浮き沈みが激しくなる
のような症状が現れることがあるんだ。
へー、脳の指令系統と疲れの関係かあ。
そう、「脳の指令系統」っていうと難しく聞こえるかもしれないけれど、
今日は誰にでも分かりやすく「副腎疲労」の話をするね。
チェックシートもあるから、自分に当てはまるかチェックしてみてね!
副腎疲労とは?(HPA軸機能障害)
副腎疲労は、「HPA軸機能障害」と呼ばれる病態のこと。
副腎疲労の正体は、脳のHPA軸の指令系統が正常に機能しなくなってしまうことです。
HPAとは、脳の視床下部(Hypothalumus)ー脳下垂体(Pituitary)ー副腎(Adrenal gland)の頭文字。
この脳と副腎を繋ぐネットワークのことをHPA軸と呼び、
何らかの理由でHPA軸の機能が障害される状態を「HPA軸機能障害」と呼んでいます。
ここでは馴染みやすい呼び方の「副腎疲労」を使って話を進めていきます。
HPA軸機能障害は、コルチゾールの過剰分泌により引き起こされます。
コルチゾールは、
左右の腎臓の上にちょこんとのっている
餃子のような形をした臓器、「副腎」で作られ分泌されます。
コルチゾールにはこのような働きがあります。
コルチゾールの主な働き
- ストレスに対処する
- 血糖値の維持に関与する
- 免疫系や炎症反応を抑える
また、コルチゾールの働きに伴い、
脈拍や血圧が上昇したり、
脂肪が分解されたり、
集中力が高まるなどして
体の機能を正常に保とうとします。
このように、コルチゾールは体内で重要な役割を果たすホルモンの一つですが、
過剰なコルチゾール分泌は心身にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
副腎疲労の原因
副腎疲労の主な原因は長期間のストレスですが、
その他に、慢性炎症や低血糖も副腎疲労の原因と考えられています。(慢性炎症と低血糖はまた別の記事で)
副腎疲労の症状
副腎疲労は長期間のストレスによって引き起こされます。
副腎が様々なホルモンを分泌する能力が低下することで、
以下のような症状が現れます。
・朝起きるのがつらい
・疲れがなかなか取れない
・立ちくらみがする
・鬱っぽい感じがする
・甘いものを無性に食べたくなる
・塩分の濃いものを食べたくなる
などがあり、
他にも、性欲の低下やストレスへの対処困難、病気やけがの回復遅延などの症状が現れることがあります。
また、副腎疲労は女性ホルモンのバランスにも影響を及ぼし、
PMSや更年期障害の症状を悪化させる可能性があります。
副腎疲労のステージ
副腎疲労には抵抗期と疲弊期があり、抵抗期ではコルチゾールが多く分泌されますが、
疲弊期にはコルチゾールが枯渇し、さまざまな症状が顕著になります。
コルチゾールなどが分泌されるタイミングや量によって、
以下のような3つのステージに分類されます。
それぞれのステージと症状は:
- 警告期 (ステージ1):
- コルチゾールとDHEA(=ホルモン)の両方が増加する
- 通常無症状
- 抵抗期 (ステージ2):
- コルチゾールは上昇するが、DHEAは減少する
- ストレスを感じる、不安発作が起きる、気分の浮き沈みなどの症状が現れる
- 疲弊期 (ステージ3):
- コルチゾールとDHEAの両方が低下する
- うつ、疲弊、体力の低下などが顕著になる
ステージ分類をすることで、
自分がどのステージにいるのかどうかの把握に役立ちます。
この分類により、
- サプリ摂取のタイミング(薬による治療もあります)
- 運動の負荷レベル
などのステージ別戦略を立てることができるからです。
副腎疲労のステージ分類には、
主に「唾液中コルチゾール検査」が用いられます。
その疲れ、もしかしたら副腎疲労かも?
慢性的な疲れがある方は、
もしかしたら副腎疲労かもしれません。
以下のチェックリストを参考に
たくさんの項目にチェックがつくようなら、
怒りっぽい、だらしない、切れやすい
などと思っていた性格が、
もしかしたらホルモンバランスの乱れによるものかもしれません。
副腎疲労だと分かれば、
体調不良の自分を情けないと思ったり、
やる気のでない自分を不甲斐ないと思ったりしている人は、
不必要に自分を責めることもなくなるかもしれません。